2016年12月29日

Thank you !


西暦2016

二度と戻らない年がまた通り過ぎてゆく


知らぬ間に

着実に時は流れる・・変わらぬ日々の隙間を


街路樹に一枚だけ黄色い葉っぱが残り

抜けるような冷たい青空に揺れていた


その様はまるで過去と未来の境目を示しているよう



ブロッコリーの茹で上げが

10秒遅かったことを恥じてたことがある


そのこだわりはとっても大切なこと


しかし

高度な数式を完璧に組んだような料理をつくれたとしても

どこかに違和感を覚えた


料理の七不思議である


細分化してパーツを理詰めし再構築しても

素材同士を繋げる溶媒が一体性を帯びていなければ

もともと素材の持つ力を発揮できないのだ


核に入れば入るほど、又は人の手が増えれば増えるほど

分業となりパーツごとの意識になり動脈硬化をおこす


この社会と一緒である


大切なことは

パーツが生かされたまま自然につながること


個々の技術を必要とし

人の入れ替わりの激しいこの業界では

それを安定させるのは至難の業となる


それで多くの人間が介入する構造を撤回したことがある

人が多ければ商売はできるが料理はできない


上手く繋がるためには、あえてその形状を

ベストじゃないところに変えなければならないこともある


そのジレンマに悩んだことがある


料理人か? 経営者か?

俺はどっちだ? ってね


生業としてそれをする場合

さばく量も種類も多く、タイミングも多様になり

かなりストイックな訓練をしなければ対処しきれなくなる



そしてやがて何も知らなかった頃に想い描いていた

純心から離れてゆくのだ


この道に身も心もかぶれてゆく



たとえば20年30年経ち

やがて処理することだけが上手くなって

それくらいの段階で未だいるのなら

間違っても ”我こそがプロフェッショナルである”

なんて思い上がってはいけないのだろう


それは単なる慣れであり

極みではないのだから



我がこの道は未だ極まらず



時を超え、長いトンネルを抜けて

元々の純心に戻ってゆく

簡単そうで大変なことだ


かぶれたものを

その慣れを、思い上がりを、過信や怠慢を

純心に戻す


内から湧き上がる喜びとなるように・・


ただ、

そんな穏やかな気持ちのまま大地と海を生かすためには

さんざんキリキリした時間と自らを攻め立てるような

多くのストレスを経過しなければならない


それを通過せずただただ穏やかで愉しいことばかりなら

辿り着けない場所がある



ずっと1mmづつ

解らないのなら解った気になって進んではいけない


1mm進むのに

どれくらいの検証と練り込みが必要だろう

それでどれくらい気が狂いそうになるかわからない


ずっと苦痛である

ずっと愉しくもある

何とも言えない心境だ


でもその茹で上がった野菜と湯気の香りが

いつだって心をリセットしてくれた


この世のどんな高級な香水にも勝る最上級の香り

いつだってそれに救われる


とっても小さくて

しかし最上級の幸福がそこにある気がしてた



それだけが、我が道しるべである



何万回目の茹で上げたブロッコリー

その爽やかな香りを嗅ぎながら・・


相変わらずのこの厨房という研究室から

今年もお世話になりました



土と海と空に

そして出逢った多くの人々へ


感謝




2016

年の終わりに


agape cyef manaka









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posted by 真中 at 22:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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