2018年05月12日

その奥のタカラもの


眩い五月の陽射しに

すでに咲きはじめた白い紫陽花が

やけにくっきりと浮かび上がっている


その光は川に架かる橋の下まで斜めに差し込み

ひっそりとした碧い苔までが鮮やかに浮いて見える


徐々に重い色のグラデーションが重なり

やがて影のエネルギーが上回るころには

目がちかちかして追いつかず

黒板みたいな深緑の闇が覆いかぶさって

その奥はもう視えない



碧く美しいその苔は

ずっと奥まで続いているだろうか?




足りない言葉をそのまま理解するより

その言葉の隙間を感じ取ってみたほうが真実が視える



描かれた絵画は

強く描き殴った部分より

その影と擦れた余白に本当の姿が視えるものだ




見えているもの

光の当たったもの

強く主張するもの


そしてそれらとは相反するもの・・




その主体の脇に広がる闇とか空白とか

明確なものよりもっとモゾモゾとして

はっきりしないモノたち



それらが視えたときはじめて奥行きが生まれ

本当の実体が現れるのだ



真実はそこに見えているものじゃなく

表には見えないスクリーンに浮かび上がるもの



語られた言葉じゃなく

語られない言葉の隙間に浮き上がるもの



表現されたものはみな単調な着色がすぎて

見る者を麻痺させるのだ



光の当たるものだけを見ているのなら

それはもしかしたら

既に麻痺してしまった目で見ている錯覚かもしれない



白い紫陽花は月灯りの下で視れば紫にみえるもの

見え方など心の有り様でどうにでも変わるもの



真っ昼間に白が灰色に見えたり

鮮明な緑が黒く見える人だっているのだから・・



同じものを見ても

誰かは白で、誰かは灰色で、誰かは青で

それで誰もが皆自分が正しいと言い放って聞かない



その見えた色を基軸にそれぞれが走り出すから

この街はいつでも

色覚検査の絵みたいにガチャガチャしてる




真実を視たいのなら

あえて目をつむって視てみることさ




この場所が、

どれだけ虚像で満ち溢れているかまで

視えてしまうかもしれないけれど・・



それはとてもショッキングなことだから

視たくないのなら相変わらず盲目でいたほうがいい



信じられるのは人の心

信じられないのも人の心




いつだって同じものたちが戦っている

いつだって皆、

どこかの敵と戦っていると錯覚しながら

結局自分と戦ってる


目がちかちかする光と影の狭間で・・




それでもあなたが断じて微笑むのなら

その錯覚の隙を突いて陥れるのが大好きな

さすがの悪魔ももう手出しはできない




あなたは自らを費やしながら

わき目も振らずどこまでもこの灰色の街を走りぬけ

必ず誰かを安心させているだろう



疲れたボロ雑巾を絞ったみたいな笑顔でも

その皺の深みは

誰かに温かで最強の安堵をもたらしているはずだ



本当は判らなくて心細くて手探りで何かにすがりたくとも

その決意を秘めた微笑みは

大切な誰かにとって鮮明な道しるべとなっているもんだ




その一見明確さに欠ける危ういものが

本当は圧倒的で揺るぎないものとなる




それはこの不連続の荒れた地で

もっとも称賛に値すること




光と闇の狭間で心の奥から絞り出す笑顔が

どれだけ大変なのか、



誰もが知っているから・・











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アガぺ風、みつまめ

山形佐藤錦と宮崎マンゴーと黒蜜の葛切り

黒タピオカとナタデココ、ライムのソルベを添えて

そしてもう一つ、揺るぎない何かが芯に隠れてる

それはいったい何・・?


題して

”光と影と、その裏にあるもの”























posted by 真中 at 18:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記